第3話

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そのセレクトショップには馴染みの店員さんがいて、ウチのお店でも買ってくれたりしている。 シンプルでクールなデザインの物や小物等も、海外で買い付けをしたり、バイヤーさんがセレクトしたこだわりの商品が多い。 二人がお気に入りのお店の1つで、ここも雑誌によく掲載されている。 アクセサリーはいろんな種類があるが大ぶりのものが多く、鈴は好きなのでピアスやバングルをよく買うが、私はバッグやハットを買う事が多い。 服はもちろんだけど、他と人と被らない小物も注目しているお店なので、今日の招待は楽しみにしていた。 お店は路面店で入り口には階段があり、こじんまりした三階建てのビルになっている。 各階扱っている物が違うので、いつも下から上まできちんと見て回っている。 今日は階段の所にプレートが置いてあり招待状がないと入店できない注意書きがしてあった。 招待状を準備して階段を上って行くと内側から扉を開き「こんにちわ、いらっしゃいませ」と知り合いの店員さんが立っていた。 招待状を渡すと、限定のお店のロゴが入っているブレスレットと交換され、これが通行パス代わりのようだ。 ブレスレットをつけて店内に入ると、軽食が並んでいるテーブルも設置されていた。 「今日はメーカーさんやデザイナーさんも来てるんです。そちらにイートスペースもあるので楽しんで下さい」 と案内されたが、まずは軽食よりもまず商品を見て回る事にしたが、奥の方で女性が何人か集まっている。 「鈴あれなんじゃない?コラボ商品って」 「みたいだね……結構人がいるから他から見ようか」 二人共人を掻き分けてまで見るタイプではないので、別の商品からチェックする事にした。 「でも完売しないのかな?因みに何とのコラボ?」 招待状の内容をよく見ずに来てしまったので、一押しがよく分からないが、鈴がいるのでそこは安心だ。 「ジュエリーショップとのコラボ商品で、普通で買うのは手が届かないけど、比較的買いやすい価格帯だから狙ってる人多いと思う」 普段の私なら欲しいとこだけど、今はたっくんがくれた物を付けているので、あまり興味が湧かなかった。 「だったら早めに見た方がいいんじゃないの?」 暫く様子を見ていたが、少なくなったタイミングを見計らいケースの前に立ってみた。
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