第3話

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なんか嫌だ……自らモテるの自慢する人って。 「では三人さんの誰かと食事に行かれたらどうですか?私も相手いるんで彼氏と食べに行きます」 「えっ、イケメンからのお誘いを断るの?」 プッと吹き出しながらの発言に、からかわれてると疑問も浮かんだがそこは考えないようにして失礼しますとその場を離れた。 姿が見えなくなった所で「ふぅ」と大きなため息をつき、私らしくない行動をしたのでドキドキしてるし多分顔も赤い。 鈴には一階で待ってるとメッセージを入れ階段を下りながら、あんな事言えたのはたっくんのおかげだと自分で少し笑みが漏れた。 少しすると鈴が降りてきたので一緒にお店を後にする。 バッグは見なくて良かったのと聞かれたが、先程の事があったので今度にすると誤魔化して近くのカフェで休憩する事にした。 アイスラテを手にして席に着くと、早速アンケートに答えた戦利品を鈴が見せてくれる。 限定のピンクではなくブルーの小さなショッパーだったが、色合いや大きさもセンスを感じられる。 「メイのもくれるって言うから貰ってきちゃった」 「え?いいのかな……」 先程の件があるので素直に受け取りづらい心境だが、鈴が中身を取り出してくれた。 可愛い石のついたチャームとジュエリークロスが入っていて喜んでいる。 「チャームだと手持ちのアクセに合わせれるし、ジュエリークロス必要だから助かるぅ」 さすが女子心を捉えて離さないジュエリーメーカーさんは、ノベルティのチョイスも機転が利いている。 開けてみようかなと紙袋の中に手を入れたまま、こっそりと確認してみた。 「――えっ?!」 私の顔色が変わると、鈴が心配そうにこちらを見ている。 「ごめん、ちょっと用事を思い出したから先に帰ってて」 気づいたら席を立ち、店を飛び出すように走っていた。
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