第4話

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――三連休の一日目。 朝早く起きて美容院に向かったが、担当は鈴と上手くいってる田口さんなので、冒険の提案も伝えやすかった。 「勿体ないけど、結構切っちゃうんですね。でも髪の為にはいいかも」 腰近くまであった髪をパーマをかけた状態で肩下くらいの長さにするので、多分三十センチくらい切る事になる。 「このパーマだと可愛い雰囲気もアップするし、アレンジもし易いのでお勧めですよ」 太鼓判を押して貰い、あとはお任せする事にした。 前髪も伸ばしていたが今回のパーマの感じだと、斜めにふんわりと下ろした方が可愛いと言われアドバイスに従う。 三時間後に少しお尻は痛くなってきたが、仕上がった髪を見て大満足していた。 髪もかなり軽くなったしさすがはプロで、思ってた以上に素敵な感じになっている。 「セットも楽なんでぜひアレンジ楽しんで下さいね!」 「有難うございます!髪も軽くなったし艶も蘇った気がします」 「メイちゃんはしっかり手入れしてるから前も艶はありましたよ」 と嬉しい一言に思わず笑みを漏らし、気分良く美容院から帰宅する。 シャワーと着替えを済ませると、明日からは恐らくたっくんと過ごせる筈はので泊まりの用意をバッグに詰めて万端にしておいた。 美容院での疲れが出たのか、なんとなく睡魔がきてベッドに背中を当てるとウトウトしていた。 そのままポテッと横に倒れかかって目が覚めたので、飲み物でも取ろうとのっそり起き上り冷蔵庫に向かう。 ふとスマホを見ると、メッセージのランプがチカチカしているので確認する。 『今日打ち合わせ後、ホテルのちょっとしたパーティに行くよ。メイちゃんも良かったら来ない?』 私へお誘いと言う事は多分美味しい料理付きな筈だけど、彼は打ち合わせが終わってから参加だから迎えには来れない。 一人で入れるのかと少し不安要素はあるが、場所が近いので行ってみようと返信して支度を始めた。 寝てしまったせいで十八時まであと一時間しかなかったが、メイクを済ませて昨日のワンピースを着てみるとシックで良さそうな感じだ。 ゴールドの五連のチェーンが下がっているロングピアスと、華奢なネックレスをつける。 最後に濃い赤のリップをポンポンと叩くように薄く乗せたら完成し、いつもと少し雰囲気が違って見えた。
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