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そう、それは毎日通勤中に見る風景。
私が、バイクでいつもの道を走っていると、毎日歩道の隅々迄掃除をしている奥様。
歳の頃なら三十前半?
とても上品な奥様。
なかなか、出来る事じゃない。
でも、その日は腰が90度は曲がったようなお婆さん。
私は今どき都会で、あれだけ腰の曲がったお婆さんが居るなんて!と、思ってると。
「誰がお婆さんだって?」
と、耳元で声がする。
私はびっくりしてると、目の前のお婆さんが顔を上げ。
「私の事かい?」
と、言うなりいつもの上品な奥様に変身したのでした。
私は、二度びっくり!
「お前さんは、中々面白い人間みたいだから、ちょっとした能力を授けてあげよう」と。
すると、奥様はお婆さんに又もや変身すると、いつの間にか私の側迄来たのです。
何処に持っていたのか、私に黒ぶちの眼鏡を掛け。
「この眼鏡は、寝る時以外は外れないから」
「それから決して、この眼鏡で見えた事は、他人には話すんじゃないよ」
「もし、話したら貴方はこの世から、消えてしまうからね」
私が、呆然とバイクに股がっていると、お婆さんは跡形も無く姿を掻き消したのでした。
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