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「国防軍の下士官が少尉候補生に不遜な態度を」
端的に報告する。事実関係に一部前後があったが全てを含みで頷いた。
「凄い、中佐ですよ」
大物が現れたと百合香が興奮する。夕凪はフランス語も解しているが黙っていた。
「そこの上級曹長三名、彼女等が少尉候補生だと知っての態度かね」
英語に切り替えて優しく問う。微笑すら浮かべている中佐に三人は半笑いで答えた。
「可愛い候補生だから、手取り足取りお勉強しようと思いまして」
ニヤニヤしながら答えた。三人が三人とも馬鹿にした態度をとる。
「ふむ。少尉候補生、貴官らは適切な対応を受けたかね」
「はい、フィル先任上級曹長には」
「ではその他はどうだね」
日本語で「悠子、最初の三人、態度はどうだったって」確認する。
「不適切だ」
「懲罰ものですよ?」
「主任は不適切だと申しております。自衛隊法第五十八条に準拠、品位を重んじず威信を損ねる行為で違反していると思慮します」
国防軍の規定はまだ無い。なので自衛隊法を引き合いに出して何が不適切かを明らかにする。
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