レジオネール戦記・IF・日本国防軍司令官

姫路前進基地

◇

「ひでぇな……畜生」

　市街地を巡回して惨状を目の当たりにする。戦闘の傷跡ではない、略奪が行われただろう部分がはっきりとわかる。スーパーマーケットがボロボロにされている、どうしたらこのようになるのか御子柴には想像出来なかった。
　悪臭も凄かった、中国には衛生概念が無いのかとすら思えるほどに。

「これが日本？　冗談きつすぎるぜ」

　日本軍に解放されて住民が大歓迎している。姫路駅近くのホテル日興姫路に国防軍司令部を置いたロマノフスキー准将、南播磨高校の一部を間借りして徴募所を開いている。今までのような生活は真っ平ごめんだと、大勢の者が国防軍に志願してきた。予備自衛官は第3師団へ、その殆どが出頭する。

　掃討を完了した市街地、警察官が主力になり治安維持を再開している。各所に自衛隊の普通科部隊の派出所が置かれ、中国軍の残党へ対応していた。
　砲撃で倒壊した市役所、統治の機能は復旧していない。それでも公民館に機能を分散して職員が公務を再開していた。足りない部分は仮決裁を認め、何とか行政執行をしている。