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家に帰ると私は半信半疑で、おじさんから貰ったネックレスを掲げた。迷信だと思っていても、それをすることで少しは鬱憤(うっぷん)が晴れるかもしれないと思ったのだ。だが、もし、もしもこれが本当だとしたら私はどうなるのだろう?
先の見えないことはいつものことだと私はそれを試してみることにした。
あのグループの中でも憎い相手。そう考えて、すぐにあの茶髪のショートヘアの女子が思い浮かんだ。
「月島 綾乃(つきしま あやの)……月島 綾乃、月島 綾乃、月島 綾乃」
するとネックレスが私の手の中で綺麗な光を放った。見間違いか、と目をこするもどうやら現実のようで考えるのを放棄した私はネックレスを見つめていた。ようやく思考が戻り、はたと気づく。
私はまたもそれを目の前に掲げてみる。電球の光を反射するネックレスは先程まで薄く丸い透明の物だったのだが、右端に黄色い、三日月が出来ていた。
どういうことだろう? 熱に連動してこうなる仕組みなのだろうか。
まあ、どうでもいいが。私はご飯を食べるために、そのネックレスを机に置いて一階に向かった。
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