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食事のメニューではなく、その後の執拗な行為を予想して、保は食傷した。
例えセックスで快感を得ても、こう毎晩続けばうんざりもする。
今年は夏の暑さのせいで、体力もずいぶん落ちている。
たった一夜でいい。
空調設備が効いた部屋で、ゆっくりと何もせずに眠りたい。
しかしさっき料理と一緒に思い浮かべた顔は、どいつもこいつも好色で変態だ。
あいつらの満足のために、保の今の体力では死ぬほどの目に合わされる。
ただ眠るというささやかな願望が、蜃気楼に浮かぶ楼閣みたいで、保は再び顎をあげて空を見上げる。
「……腹、減ったなぁ」
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