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「あなたお腹が空いてるの?」
ふいに保に声をかけてきた者がいた。
ゆるやかに頭を動かして振り返れば、あか抜けないブラウスとスカート姿の平凡な女。
最終バスが出たあとのバス停のベンチにひとり座っている。
髪はショートでややふっくらした体つきは、贅沢のせいではなく、体の管理が甘いだけだろう。
貧乏くさいナリ、貧乏くさい容姿。
保はひとめで女に対する興味を失った。
貧乏人など、
「俺には関係ない」
存在だ。
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