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だがその女は、
「ねえちょっと、お腹すいてるんでしょうあなた」
背を向けて歩き出そうとする保の腕を、わざわざ立ち上がって掴んできた。
『2万』
保は心の中でカウントする。
商品である自分の身体に触れたなら、それぐらいの料金は覚悟して貰わなくてはならない。
ついでに、
「俺が腹減っていようといまいと、あんたには関係ないでしょお姉さん」
口をきいてやった料1万と、微笑んでやった料で2万追加だ。
サラサラと頭の中で請求書を作成して、女を頭のてっぺんからつま先まで眺めてみる。
――ダメだ。
デブ専のキャバクラに売っても、返品されてきそうだ。
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