若返りファンデーション

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彼女は私の前に来るとまっすぐ目を見てこう言い放った。 「・・・もう一度、若かった頃の自分に・・・戻ってみませんか?」 唐突な言葉に私が戸惑いを見せると、全てを見透かしたように彼女は続けた。 「人間は年をとれば誰でも昔の自分に戻りたい、若返りたい、と思うものです。 そしてそんな貴方の願いを叶える商品が今私の手元にあります。 値段はたったの300万円。 ・・・いかがですか?」 彼女が取り出したのはなんのへんてつもないただのコンパクトだった。 「これは我が社が独自に開発した若返りファンデーションです。」 ・・・若返り、ファンデーション? 「これを使えば貴方の肌は若返ります。」 さも当然のように彼女は微笑んでいた。 「すぐには信じられないかもしれません。皆さん最初はそうですから・・・ですが、貴方から見て私は何歳に見えますか?」
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