君と奇跡の腕時計

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「彼女が佐藤仁美ちゃん。1ヶ月前まで高校生だったんだよ。若くて可愛いでしょう。 でもねぇ、筋がいいんだよ。高校が手技療法科でね、あん摩マッサージ指圧師と、はり師、きゅう師の国家試験にトリプル合格してて、将来有望な『佐藤大先生』」 「院長先生みたいな大先生目指してます!でも、まだまだ勉強することばっかりで」と仁美は返答した。 「仁美ちゃん、この方がねぇ、ウチに鍼を納品してくださる日向陽平さん。あ、日向さん、ちょっと握手してもらってもいいです?仁美ちゃんは目が見えないから」 …あ、だから白衣を掴んで来たのか。 「私、2歳の時、事故で目が見えなくなって、明るい暗いもわからない全盲なんです。 高校までずっと盲学校で、晴眼者の方とお話する機会があまりなくて、不慣れなところがあると思うんですけど、よろしくお願いします!」
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