見ようとしない

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次の日、僕はいつもの通りに和正先輩に会いにいった。 僕の後ろには、和正先輩のファン。 いっつも一樹先輩をにらんでる子達。 きっと僕もその一人だと思われてたと思う。 「和正先輩!おはようございます」 「ああ、おはよう。“一樹”」 後ろで誰かが息を飲んだ。 僕も思わず口許を押さえる。 和正先輩はなんといった? 僕をなんと呼んだ? 「和正先輩?」 やっと出たのは呼び掛ける声。 「なんだよ。俺ら親友だろ?先輩なんて呼ぶなって」 ニコニコと僕に話しかけてくる和正先輩。 その目は焦点があっていなかった。
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