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その日を境に、和正先輩は依存するかのように僕に一樹先輩であることを望んだ。
教室では普通のようだけれど、僕がいるときは子供のようにすがり、常にともにいたがった。
ああ、こんな筈ではなかったのだけど、これはこれで、和正先輩が自分の心に気づいてくれればいいと思った。
「和正、ご飯食べよう」
「うん」
「和正、お風呂は?」
「一緒に」
和正和正和正・・・先輩、僕は一樹先輩じゃないよ?
「一樹・・・消えないでくれ」
和正先輩の声が異様に部屋のなかに響いた。
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