福引き

2/4
前へ
/4ページ
次へ
警備の夜勤終わりの昼の帰り道、いつものように商店街を通り自宅に向かっていた。 今日は、暑くもなくたまに心地よい風が吹く青空広がる、清々しい天気だ。 そういえば家の冷蔵庫に食材入ってなかったな。 いつものおばあちゃんのとこによって帰るか。 「おばあちゃん!こんにちは。」 「あら、信次くん。仕事終わりの帰りかい?」 「はい。ちょっと食材なくなったんで買いに来ました。」 「いつもありがとね。」 ここは、このおばあちゃんの石川さんが経営しているちっちゃなお店。 レトルト食品から野菜、お肉いろんな食べ物が揃うとても便利なお店。 私は、おばあちゃんと世間話をしながら買い物をし、商品をかごにいれレジに向かった。 「こんなにレトルト食品ばっかり食べて、ちゃんと野菜もとらないと体壊すよ。ちょっと待ってて。はいこれ。」 おばあちゃんは私にキュウリの漬け物を渡した。 「いやいや、もらえないですよ。」 「いいから、いいから。キュウリぐらい食べれるでしょ。」 「んじゃ、すみません頂きます。」 こんな他人の私を心配してくれるとても優しいおばあちゃんがとてもありがたく、感謝している。 近くにでっかいスーパーやコンビニがあるが、私は恩返しのためにこの店に買いに来る。 「あっ。これ福引き券。商店街の真ん中でやってるから。」 「へぇ~、んじゃありがとうございます。また来ます。」 私は、おばあちゃんのお店をあとにして福引きのある場所に向かった。 あれかな? そこには小さなテントとテーブルを置き、その上にガラポンが置いてある。 「すみません。福引き券あるんですがここで福引きできますか?」 「はい!できますよ。」 青い法被を着た中年の男の人が答えた。 隣には若い女の人が法被を着て笑顔で立っている。 「なに当たるんですか?」 「こちら、家族ハワイ旅行やテレビ、商店街で使える商品券など色々ありますよ。」 へぇー、結構いい商品あるんだな。 商品券ぐらい当たればよしとしよ。 私は、福引き券を渡しガラポンを回した。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加