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しかし『銀の猫』と共に、女泥棒の姿も綺麗に消えてしまっていたのだ。
その結果、高広には厳しい容疑がかけられて、未成年にもかかわらず、三日間も警察署に留め置かれるはめになった。
ムカついた高広は意地になって、
「いつも通り見回りに行ったら、もう『銀の猫』は無かった」
女のことは一切語らず、あくまでも第一発見者としての立場を貫き通した。
17歳の高広が、スキップ制で大学入学資格を持っていること。
十分に自活していけるだけの経済力を持っていること。
日本の田舎警察は、高広の身をやっかんだのではないかと疑りたくなるほど、ムカつく任意取り調べを繰り返した。
さんざ警察が嫌いになって、やっと帰されたと思ったら、
今度は、
「バイトにはもう来なくていい」
と言われてしまった。
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