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ただ美しく素直な猫の彫像。
出土場所はエジプト東端部シナイ半島の辺りらしいが、作られた文明は不明。
猫崇拝のための偶像だろうが、正確な目的も不明。
そして何より、『銀の猫』が彫られた彫像の材質が、誰にもわからなかった。
金でも銀でもガラスでも青銅でもない。
現代の科学をもってしても、彫像の材質がわからない。
その謎に、高広は心を奪われた。
『銀の猫』が何で出来ているか研究してみたい。
触れて、出来れば一部を手にいれて、『銀の猫』の材質の謎を解き明かしてみたい。
高広はそんな探究心だけで、この博物館の警備員として雇われたのだ。
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