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「まぁ貴様とはそれほど話もしないまま終わったからな。その無知と無礼は今は水に流すが、次は無いと思え」
ルシファ-「……」
このおっさんは魔力の感知とかできないんだろうか。
俺も多少できるって程度だが、それでも力の差は明白なのにこの態度。引っ叩きたくなってきた。
俺のフラストレーションをよそに、おっさんは少し盛り上がった足場に登り、踏ん反り返って見下ろしてきた。不敬者め。
「ヒヒヒ、ではこの私が改めて名乗ってやろうアホの息子よ。刮目せよ、私こそがゲインガーナ王国の偉大なる王、命を賭して職務に殉じた悲劇の男シディス・アレスターである!」
ルシファ-「……」
シディスとやらが拍手を促してくるが、何か思い出せそうなので静かにしてほしいから横っ面を引っ叩いた。
どっかで会った気がするんだけどな~……。
ルシファ-「…………。……あ、自分の国民にめっちゃ嘘吐きまくって戦争起こした、親父の同級生の戦犯詐欺師か。思い出した」
俺が珍しく他人の情報を記憶の棚から引っ張り出す事に成功すると、シディスはいきなり目を見開きながら咳き込んだ。
シディス「へぶッアっほ!! お前! 貴様コラ!!! どこでそれを……あっ、いや何だその根も葉も無い噂は! ええ!? 知らんぞ、私は知らんぞそんなの!!!!! 誰だそんな事広めた奴は! 大魔王か! あいつめ~!!!」
ルシファ-「確かに親父に聞いたけど、違うならそんなに動揺するなよ」
シディス「ヌガーッ!! やはりあいつか!! おのれおのれ……なんて口の軽い男! あそこで殺せてさえいればああああ」
その物言いは完全に事実だと認めてるよね。アホだ。
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