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過去の話だ。
「ただの従妹だよ。……大事な妹みたいなものかな。俺の手で幸せにしてやることは出来ないから、他の奴に託すしかないんだ。ただし…」
「ただし?」
「修一に託すわけにはいかないんだ。翔…まひろのこと、大事にしてやってくれ。俺はお前だったらまひろのこと幸せにしてくれると信じてるから」
これは、紛れもない俺の本音。
ヤバイな、俺まで本気スイッチ入れてしまったらしい。
「あ、蘭事務所の件ですが。次はあちらに出向く予定でいます。蘭さんも一緒でないと困るんですが、連れて行くの大丈夫ですか?」
「仕事だからな。あいつも父親と向き合ういい切っ掛けになるかもしれない。だけど珍しいな、翔がそんなことを気にするとは。有無を言わさず連れていく鬼主任じゃなかったか?」
「大事にしてやれと言ったのは誰ですか…。もしもの時は俺がフォローしますから。じゃ、帰ります」
「明け方も俺の身体空いてるけど?もういいのか?」
「もう用済みですので」
ちぇ、つれねえな。
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