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──6月2日。
今日は少し残業して、いつも通りに主任が家まで送ってくれた。
私の家の最寄り駅から歩く道中には、手を繋いでくれた主任。
手が温かく感じるのは、どちらの体温のせいなのか?
きっとどちらも。
主任もこの温もりを心地よいと感じてくれているんだろうか?
今日は"恋人繋ぎ"だし。
顔がひとりでにニヤケてしまいそう…。
ついでに昨日のことが思い出されて、ひとり悶々としながら歩く。
手を繋ぐ前のあのキスが、1日経った今も鮮やかに甦ってくる。
次は、いつまたあの幸せな時間を過ごすことができるんだろうか。
主任もまた、私とキスしたいと思ってくれているのかな…?
そんなフワフワした気持ちのまま、今日はあっさりと別れた。
まだやることがあるからと、会社に戻った主任。
「私も一緒に残ります」と言う提案も
「今日は1人で帰ります」という申告も
呆気なく「却下」されてしまった。
有無を言わさない彼の行動は、何も変わらない。
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