プロローグ

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0-1-2    プロローグ  後継者の帰還を寿ぐ宴も、三日を過ぎると飽きてきた。  酌み交わされる杯も笑い声も、まだ他人事のように思える。  退屈をまぎらわそうと人々の顔をながめてみれば、いつの間にか交代で人が入れ替わっていると気づく。  俺は代理がきかないんだけどな、と親父に目を向けると、両脇に女がしなだれかかっていた。元気になったようで何よりだ。  父は、俺が戻ってくる未来を予見していたのだろうか。  前長ガリアータ、長フェシルミアに対しても特に深い親交があったわけではないのに、たった一人しかいない後継者をアルス一族に託した父。  息子がろくでもない人格に育つかもしれないという懸念もあったはずだが、何の確信がそうさせたのか。
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