出会い

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「ありがとうございました」 診察室を後にし受付で薬を受け取る ここに長居したくないし、風邪で頭も痛いし早く家に帰ろう なるべく目立たないように足音を立てずに早足で出口に向かう そのときにすれ違う人の視線が気になる ・・・ああ。いやだなぁ ・・・ほんと嫌だ。人の視線も。こんな僕も。 「ただいま。・・・ふぅ」 ある都外のマンションで誰に向けたものでもない声が響く 高校進学の際、地元の高校を全て蹴って東京の名前も聞いたことない学校に進学した 初めての一人暮らしに胸踊った時期もあったが、実際は家事や洗濯なんてしたことない僕にとってはめんどくさいだけだった 「とりあえず・・・洗濯物だけでも・・・」 頭痛と寒気が襲って来る中、朝干しておいた洗濯物を取り込むがどうも体が重い なんとか洗濯物を全て取り込み終わって、フラフラと布団のある方へと吸い込まれていく 食欲もないし今日はもう寝よう・・・ 明日から二連休だしその間に風邪も治せるかな そういえば冷蔵庫に食材あったっけ?・・・しんどいけど明日の朝に買い出し行くかな・・・ 布団に入り天井をただボーっと見つめながら土曜日の行動予定を決めていく 一通り頭の中で逡巡したら眠気がやってきた 「明日のことは明日考えるか・・・けほっけほっ・・・・・・・・・おやすみ」 僕は眠気に身をゆだねそのまま眠りに落ちていった
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