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あいつは俺の軽蔑の目で見て、 「キスフレになんて、ならない」といって、拒否をした。 当然の答えだろう。 離れ離れで、キスすることも出来ない男をキスフレにしてどうする? 再び、距離で壊れるのが眼に見えているというのに、 付け焼刃もいいところ。 今、キスしたいっていう衝動がバレバレ、 てゆうか押し倒そうとしてるのミエミエ。 下心丸出しで迫るなんて、バカなのか俺は? あの時は自分が情けなくて、彼女の顔をまともにみれなくて、 かっこわるい醜態をさらしてしまい、部屋から出ていく舞を、止めることさえできなかった。 そんな自分の過去に再び失敗を戒めながら、彼女の家へと足を進める。 今度こそは、彼女の手を掴んだら、離さずに告げなくては。 家の前へと辿りつくと、ホテルを出る時の決心がすっかり鈍り、このまま帰ってしまおうかと思うほどに、胆は冷え切っていた。 それでも、これだけは渡そうと、箱を手にチャイムの白いプラスティックと睨みあう。
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