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レースの方は、海岸沿いの平坦で単調なコースは、かえってペースが上がらない。それに、10月10日の「体育の日」は、思っていた以上に気温が上がり、後半スタミナ切れ。「自己ベスト」更新すら叶(かな)わなかった。
今回の失敗は、最後の最後まで、水以外口にしなかった事だ…僕ほどのランナーになると、けっこう時間がかかる。
(つまり「遅い」という事だ)。
おまけに、極度の「食い減らし」。必ず、途中でお腹が空いてくる。今回は給食所(ポイント)が無かったので、ビスケットのような棒(バー)状のスポーツ食品を携行していた。
いつもは10キロ以上のマラソンになると、10キロ毎に何か食べながら走るのだけど、今回は暑さのせいか空腹感も無く、『最後まで食べずに走ってみよう』と思ったのがまずかった。
最後の最後になって、ガクンとペースが落ちる。それで、残り5キロを切った頃にスポーツ食品を食べ、とにかく完走は果たした。
でも、完走くらいは当たり前の事。少々悔いの残るレースとなった。
その後は、穏やかな秋の陽射しに誘われて、「信濃川」の河川敷で昼寝をきめ、ホテルに戻ってシャワーを浴びてから、彼との再会を果たしたわけだ。
「そろそろ出ようか…」
名残惜しさはあったが、前金制とは言っても、そう安くはない。
僕達はその後もう一軒、閑散としたダンス・ホールのある店で、元柔道家だったその店のマスターも交え、スポーツ談義に花を咲かせてから宿に戻った。
『こういうのも、いいもんだ』
その晩、僕はとても満足だった。
「前もって期日を決め、運動で気持ちの良い汗をかき、その後ガンガン飲む」
僕はそういった酒飲みのパターンが大好きだ。
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