2598人が本棚に入れています
本棚に追加
後頭部から聞こえる声が少し低くなった。
けれど、身体に巻きつく腕を解く気配はない。
呆れられてはいないと思う。
「……明日だって、明後日だって、来るよ」
彼の胸が背中に触れる。
「雛森が部長のことを忘れるまで」
唇が後頭部に触れる。
「俺だけが必要になるまで」
ふと見上げた天井。
視界いっぱいに広がる群青の空。
焦ることのない藍青色
消えることのない
「ずっと」
罪の色――
最初のコメントを投稿しよう!