第11話

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『雛森が部長と別れる。っていうなら、抱いてあげるよ』 温泉旅行のあの夜。彼はそう言った。 何を言っているんだろうと思った。 部長と神崎くんを秤にかけて、神崎くんを選ぶなんて有り得ないと思った。 「……っ」 「声、我慢しなくていいから」 だけど今、私は彼に抱かれている。 「っは、」 「堪えないで。俺に全部預けて」 『部長と別れる』 「もう、止めたりしないよ」 その条件を満たしたから。
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