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『雛森が部長と別れる。っていうなら、抱いてあげるよ』
温泉旅行のあの夜。彼はそう言った。
何を言っているんだろうと思った。
部長と神崎くんを秤にかけて、神崎くんを選ぶなんて有り得ないと思った。
「……っ」
「声、我慢しなくていいから」
だけど今、私は彼に抱かれている。
「っは、」
「堪えないで。俺に全部預けて」
『部長と別れる』
「もう、止めたりしないよ」
その条件を満たしたから。
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