第11話

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「部長。『今日はみんな朝まで帰さない!』って佐藤くんが騒いでますけど。どうしますか?」 ひとまず一次会を終え、お店を出た玄関横。 灰皿が置かれた喫煙スペースで、立ったまま煙草を燻らす部長に声をかけた。 お店を照らす仄かな明かりが部長と私に落ち、2つの影が並ぶ。 「おー。いいぞ。そのつもりだから」 くわえていた煙草を口から離し、ニカッと笑う部長。腕時計で時間を確認しないということは、奥様には既に了解済みなんだろう。 今日で最後だし、疑いも晴れたんだから当然か。とは思うが 「雛森は?」 「私は遠慮しておきます」 「そうか。気をつけて帰れよ」 良かった。と素直に感じられないのは、何故なんだろう。
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