第1話 お迎えは空からやってくる。

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 朝。  上品にゆっくりと。  美青年で優秀なる私の自慢の執事――セバスが、カーテンを開いていく。 「おはようございます。お嬢様」  燦然(さんぜん)と穏やかに降りそそぐ陽の光が、豪奢なこの部屋に色をもたらす。  それはまるで女神のみに与えられし特別な部屋であるかのように。 「お嬢様、それは気のせいでございます。お嬢様が女神を名乗っては女神に失礼でございます」  それは私の美しさに女神が嫉妬するという意味なのかしら?  セバスがフッと吐息を漏らす。 「どうやらこの部屋の鏡は全て不良品だったようですね。後で新しい物に換えておきますので、もう一度じっくりとご自分の顔をご覧になるとよろしいでしょう」  さすが私のセバス。鏡のあの小さな汚れに気付くとは、優秀な執事の証拠ですわ。 「それは誤解でございます、お嬢様」
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