第一話

21/76
前へ
/100ページ
次へ
そして今、 特に何かをしたいというわけでもないのでソファに横になり本を読んでいるのだ。 本を読むのは嫌いではない。 文字としてしっかりと此方に情報が入ってくるので理解しやすかった。 ただ、「何故この人物はこの時この行動をとったのか」という話になるとさっぱり理解できなくなる。 つまり俺は国語という教科が得意ではない。 物語の中での話なのだから別にそこまで考える必要はないのではないかと思ってしまう。 おかげで国語のテストは良い点とは言えない。 その分他の教科で補ってきたので、俺は別に気にしていなかった。 無心に文字を読んでいたら段々と視界がぼやけてきて文字が掠れて見えなくなってくる。 時計を見ると相当の時間が経っていたので目が疲れてきているのだろうと判断し、俺は本をテーブルの上に置いた。 目頭を擦り、大きく伸びをして溜息をつく。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1403人が本棚に入れています
本棚に追加