第一話

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横を通ろうとすると腕を掴まれ前に進めなくなる。 振り向くと編入生君は何故か笑顔だった。 「食堂行く気になったのか!?よし、じゃあ行こうぜ!!やっぱ一緒に行きたかったんだよな!!照れてただけなんだよな!!大丈夫だ!!俺はわかってるから!!だって俺ら親友だもんな!!」 ベラベラと大きな声で勝手な事を言って彼は満足したのか俺の腕をグイグイと引っ張って無理やり連れて行こうとしてきた。 抵抗しようにも彼の力が強くてなかなか離してくれない。 彼が引っ張り俺が逆方向に力を入れているのでその場からお互い動けずにいた。 「なんだよまだ照れてんのかっ!?大丈夫だって皆俺の友達だからよ!」 「そうゆう問題ではないかな」 「じゃあ何なんだよ!!いいから俺の言うこと聞けよ!我が儘言うな!」 「俺そろそろ行きたいんだけど」 「だから俺と食堂に行くんだってば!!」 「俺は遠慮するって」 どんなに言っても斜め前方向の発言が返ってきて埓があかなくなる。 一度編入生君の頭の中を確認したいものだ。
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