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「東堂様がお仕事にお戻りになったのは不知火様のお力のおかげと聞きました!」
「えっと…大袈裟じゃないかな。俺は特に何も…」
「いいえ!東堂様が仰っておりましたから間違いはありません!不知火様のお言葉で気が付けたと!」
「俺は思った事を言ったまでで」
「本当に有難うございます不知火様っ!おかげで僕らもやっと安心できます!」
俺の周りを取り囲み、ピョンピョン跳ねては笑顔で喜ぶ会長の親衛隊の子達。
俺の言葉が制止されるほどの勢いだ。
その中の一人の子が俺の耳元に顔を近付けコソコソと小さい声で囁き出す。
「ここだけの話、東堂様前より僕らに優しく接してくれるようになりまして。それが一番嬉しいんです」
頬を少し桃色に染めながら嬉しそうに囁く彼の表情は、本当に嬉しいという感情でいっぱいという感じだった。
そんな嬉しそうな声と顔で報告され、俺も釣られて嬉しくなりつい笑ってしまう。
「そっか。良かったね。お役に立てたのなら何よりだよ」
そう彼らに笑いかけると彼らは顔を真っ赤にし、俯いたり口を両手で押さえたり、
あるいは顔全体を押さえたりと様々な動きを見せてくれた。
そんな姿を見て面白いと思いながら、親衛隊の子の身長に合わせて屈んでいた体を起こす。
会長の方に顔を向けると、彼もまた微笑みながら親衛隊達を見ていた。
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