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「それで、俺への御用は一体何ですか会長」
「あぁ、その事何だが…その前に一つ言いたい事があるんだ」
「何ですか」
「俺の名前は絢也だ」
「はい」
「生徒会長でも東堂でもない、絢也だ。だから、な。
俺の事は会長と呼ばないでくれ」
「では何と?」
「絢也」
「じゃあ絢也先輩ですね」
微笑みながら答えると会長も嬉しそうに頬を綻ばせた。
そのまま会長は親衛隊達に目をよこす。
「お前達もだ。親衛隊全員に伝えてくれ。今度から会長及び東堂呼びは禁止だとな」
「え、つまり、僕らも…?」
「ああ。破ったら…そうだな、罰として俺の部屋の掃除」
会長がニヤリと笑うと隊員たちは顔真っ赤にして慌て出す。
「わ、わかりました!では必ず親衛隊全員にお伝えします!」
「頼む。それじゃあお前らは休憩してくれ」
「かしこまりました!あ、じゃあ早速お伝えしてきます!えっと…絢也様!」
「ああ」
会長が名前を呼ばれて嬉しそうに微笑むと、隊員達はキャーッと黄色い声をあげながら生徒会室を出て行った。
出て行く際に
「絢也様あんなお茶目に…」
「罰って…」
などという会話が聞こえてきたのは気のせいだろうか。
会長…もとい、絢也先輩には伝えないでおこう。
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