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俺にアキの心情は分からない。今アキはどうしたいのか。
俺が俺なりに考えた結果
「…アキも仕事を手伝いたいのかい?」
「はっ!?」
だった。
するとアキから素っ頓狂な返事が返ってきた。
アキの切れ長の目が大きく開かれ、パチパチと瞬きを繰り返す。
「あれ違うのかい?今絢也先輩に頼まれたんだ。だからてっきりアキも手伝いたいから飛び込んできたのかと思ったんだけど…」
「はっ?…いや、はっ!?つか何でユキに…つか用事ってこれかよ…」
アキが深い溜息をつき首を下げる。
長めの溜息をつくと気だるそうに顔を上げ、絢也先輩を再度睨む。
「おい会長さんよ。なんでユキに頼みやがる」
「知り合いがいないからだ」
「は?」
「頼めそうな人間を考えていたら不知火が浮かんだ」
絢也先輩は先程俺に答えた時のように淡々と述べる。
絢也先輩の返答を聞いてアキは小さく「寂しい奴かよ…」と溜息混じりに呟いた。
そのままソファに寄りかかり頭をガシガシとかく。
俺はアキの顔を覗き込み、アキの目を見た。
「…嫌かい?」
俺がそう問うとアキはバツが悪そうに顔をしかめる。
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