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彼の言葉を聞いてなんだか納得しない俺は、彼の手から自分の腕を抜く。
そのまま彼に背中を向けて途中まで登った階段を下り始めた。
「なっ…!!雪弥!!!何処行くんだよ!!!俺と一緒にご飯食べるんだろ!!」
「いやぁ…お誘いはありがたいけど、俺はただの一般生徒だし、下で食べるとするよ。君は俺を抜かした皆と仲良く食べてくれ」
「はっ!?良いんだよ雪弥も!!!俺が良いって言ってるだろ!!大丈夫だって!!」
彼が怒りを含めながら階段上からそう叫ぶ。
広い食堂内には彼の声がよく響き、耳を塞いでいる者もいた。
「そんな特別扱い受けられないよ。俺達だけ良いなんて言ったら他の皆は悲しむから」
そう言うと食堂が少しざわつく。
編入生君は俺が言うことを聞かないからか、顔を真っ赤にしプルプルと震えていた。
取り巻き達もそんな編入生君の様子を見て、俺を睨みつけてくる。
「俺はユキと一緒に食うから」
アキも俺に続いて一般席へと進む。
俺の隣についたアキを見ると、不機嫌そうな顔は一変してニッと片方の口角を上げて笑っていた。
「随分嬉しそうだねアキ」
「当たり前だろ、ユキよーく言ったな」
そう言うとワシャワシャと俺の頭を乱暴に撫でてくる。
「…そんなに役員席嫌だったのかい?」
「違う、そうじゃない」
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