ありがとう

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「…お兄ちゃん、ありがとう…」 咲は優しく微笑んだ。 「…咲…違う…違うんだよ…」 俊は咲の言葉を否定した。 「俺が咲を殺したんだ…!助けたのは俺じゃない…」 言っている内に、涙が溢れてきた。 「違うんだ…」 顔を伏せると、頭を撫でられた。 「何言ってるの。あれは事故、お兄ちゃんのせいじゃないよ。それにこの人を連れて来てくれた…。だからいいんだよ、もう自分を責めないで…」 咲がサクヤと向き合う。 「死神さん、ありがとうございます」 サクヤはほんの少しだけ微笑んだだけで、何も言わなかった。 そして咲の姿が、ゆっくりと消えていった。 「…ん?あんた…死神なのか…?」 そう聞くと、当たり前のように頷かれた。 「…手前ェ等…よくも俺の玩具を…」 男がゆらりと床に降りる。俊は少し寒気がした。 「「アラン・オリオール、死神のルールに背いた罪…その身で味わえ…」」 サイとカイが、口を揃える。 「!?まさかお前…」 アランと呼ばれた男が青ざめる。
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