Summer Diamond Memory's

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「仕事が休みだからって、いつまでも寝ている裕樹が悪い」 「悪いと思ってゴミ捨てに来たのにそれはなくね?」 「ハイハイ。残念でした。缶は明日です。ただちにお持ち帰りください」  別に喧嘩をしている訳じゃない。篠山くんと私は高校生の頃からこんな感じだった。楠木くんと亜由美の結婚式で再会し結婚した。多分、篠山くんは亜由美が好きだったんだと思う。 「さっき楠木からメール来てさ、亜由美と旅行がてら新居見に来るって。由香利、最近元気ないから勝手にオッケーしといたよ」 「――えっ?」 「それと・・・普段、迷惑かけてる分、晩飯作って待ってる」  あれは何だったんだろう?気がつけばバトンはどこにもなかった。最近、現実に疲れて夢を見てしまったのかもしれない。
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