Summer Diamond Memory's

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 篠山くんはホームベースを踏んでいた。だけど、相手チームの外野手にボールを捕られた為、得点にはならなかった。 「――ゲームセット!」  試合終了を告げるサイレンが虚しく球場に鳴り響いた。選手たちは試合終了の挨拶を終えると応援席の方にかけてきた。そして一斉に帽子を取ると私たちに深々と頭を下げた。  泣かない楠木くんの目にも涙が滲んでた。 「ゆ、由香利ィ~」  私たちは負けた。選手たちが去った後もしばらく呆然としていると亜由美が泣きながら抱きついてきた。私も涙がポロポロポロポロ止まらず、球場を去る楠木くんの背中を黙って見送った。
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