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月曜日の朝 鼻歌まじりに会社へ向かう
ふと夢で見た柚月ちゃんを思い出していた
寝る直前まで写メを眺めたせいだろう 滅多に見ない夢 それも土曜に顔を初めて見たばかりの彼女が夢に出てきたのだ
月の明るい夜に彼女を抱き締めている夢だった 月に照らされた彼女ははにかんだ笑顔で……
目覚めた時 痛い程にギンギンになっていて苦笑いした
ええ歳こいて…なんつぅ…アホさ加減なんじゃろうか? やたら後ろめたい
こうして思い出すだけで下半身に血が漲る(笑) ほんと…中坊かも…
会社の駐車場に着くと部長に会った
『あっ おはようございまぁす』ニヤける顔を引き締めつつも挨拶すると部長がニヤリと笑う
「安ちゃん どしたんな?週末ええことあったんか?ん?おかぁちゃんとイチャついたか?ガハハ」 この人は前の職場での先輩だった
社長に呼び戻されて この会社に戻る時に自分を呼んでくれた恩人だ
『なんスか それ(笑) なんも無いスよ』そう笑い飛ばすとニヤけた顔のまんま爆弾を落とす
「ふぅ~ん…じゃあ ラブリーの声が聞けるけぇ嬉しんじゃの」
『なっ…!』 あまりの驚きで声が出ない
部長の言うラブリーとは 間違いなく神谷さんの事だ 長年の付き合いだから分かるのか確かに他の取引先と違ってF工業と話した後には機嫌が若干?良い自分に気付いているようで彼女からの電話を取り次ぐ時などには「安ちゃ~ん ラブリーからっ」などと自分をからかっているのだから
『べっ 別に そんなんじゃ…』
ふふっ…したり顔でニヤリと笑い ヒラヒラと手を振り自販機に向かう部長
ガコンガコンと音がしたと思ったら缶珈琲を投げてきた
「安ちゃ~ん わしねぇ 神谷さん何度か見た事あるでぇ」自慢気に言うのは部長が何度かF工業に顔を出しているからだ
『……』無言で缶珈琲の御礼を言い黙ってプルタブを引く
「何歳かは知らんのじゃけど~ あれは独身に間違いないねっ 秘書っぽい感じの人でさぁ 安ちゃん見たら度肝抜かれる思うわぁ ありゃ お前のどストライクって感じかのっ」
『は?あの人確か わしとタメよ?』自分だけが柚月ちゃんを知っているとばかりの言い草に大人気なく反論してみた
「ええええ? んなわけなかろぉ…」物凄く驚いた風情に何故か嬉しくなる
『それに彼女 結婚しとるで?中2の息子おる言うとったし』畳み掛けるように部長の知らない彼女の話をし気分が良い
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