朝日

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仕事に戻ってからも田辺の言葉が頭から離れなかった 今までの恋愛の中で触れただけでビリビリくるようなオンナ…居なかったかもしれない もちろん その時その時で自分なりに真剣に好きだった 最初に付き合ったのは中2の夏 同い年の女の子とママゴトみたいな恋愛をした 手を繋ぐだけで精一杯で それ以上に進展する前に自然消滅したような拙い恋 それからは部活にのめり込み次に付き合ったのは大学1年になってから 1コ上の先輩で その彼女と全ての初めてを経験した 夢中だった… 確かに大切だったけど…覚えたてのサルじゃないが抱く事が愛情表現だと勘違いして会うたびに求めた 結果振られてしまい相当落ち込んだ それからも何人かと付き合いはしたが照れくさくて言葉で気持ちを伝えれない自分が たまに発する言葉は 今になれば言葉足らずだったと分かるが 傷付け 結果いつも振られてきた 24の時 気まぐれで参加した同窓会で嫁と再会した時には すっかり臆病になっていて 嫁に気があるのが分かっていたから付き合おうって言えたのだ あの頃の自分は 自分が好きだからじゃなく 相手に好かれている安心感からしか動けないでいた それでも後悔しているわけじゃない 付き合い出してから 少しずつ嫁を好きになり 今では 誰よりも大切に思っている 例え身体の繋がりなんか無くたって その思いに変化があるわけではない むしろ それ以上の心の繋がりがあるのだから無くても平気だ 嫁は たぶん不満に思っているだろう事は分かってはいたが 湧き上がるモノはなく抱きたいとも思えない 小さな娘の成長を共に支えあいながら見守れたら それで良い 嫁は2人目を望んでいるが…義務的に抱かなければと思えば思うほどに萎えてしまい 勢いがないと そんな雰囲気にもならない なによりも結婚前から 若干ふくよかだった嫁は 今では身なりに気を使わなくなり すっかり おばさん体型なうえに普段から ほぼスッピンで色気は皆無 仕事しとんじゃけぇ もう少し構えよ…とは思うが まぁ 元から化粧っ気もなかったのだから 仕方ないのかもしれない そんな飾り気のない嫁を好きになったハズなのに勝手なものだ… 思えば過去の恋愛において自分から告白はしても自分から好きになった相手とは付き合った事がない だからなのか?これほどまでに熱くたぎる思いを抑え込む事が出来ないのは…
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