朝日

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誰に聞かれることもないって事が互いをリラックスさせて いつも以上に親密な会話を楽しめたと思う 電話を切ってからも その弾んだ声が頭から離れず今日1日の鬱憤は瞬く間に消え去っていた 月を見上げながら 1人微笑んだ 彼女も今 同じ月を見ているだろうと思うと とてつもなく月が輝いて見えた 彼女の存在は なんだろう もはや自分の気持ちを誤魔化せないでいた 好き…なんだ 結婚している自分が こんな事を思うのはルールに反するのは分かっていた それでも彼女を思うと自然に微笑み気持ちは高揚していくのだった 仕事あがりの電話が こんなにも楽しいなんて…罪悪感を感じつつも この魔力には抗えないでいる自分はすでに何かに足を踏み入れているだろうか? それでも会った事がない相手なのだ 浮気とは言わないだろう そんな都合の良い解釈で罪悪感を逃す もしも会ったとしても抱かなければ浮気にはならないだろう そんな都合の良い妄想までしてしまう まだ会う約束なんて してもないのに…そんな事を思い苦笑いした 胸がトクトクと早鐘を打つ 会いたい…触れたい…ほんの少しだけ触れてみたいだけだ…自分勝手な思いにとらわれ頬をピシャリと叩いて気合を入れ直して帰路に着くのだった
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