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「もおっっ い~や~だぁぁぁぁ」
泣き言を言いながらも声には僅かに笑いが含まれている きっと本当に辛いんだろうに無理して明るくしてるのは分かってた
『負けんなやっ 今夜も残業?』そう問えば暫しの無言で返事変わり(笑)
『わしも残業じゃけっ 神谷さんも頑張れや~ あっ でもボチボチやるんで? わしは適当にやり過ごすわぁ』そう言えば諦めたように気合を入れ直し すぐさま仕事モードに切り替える
そんな彼女の潔さも また…ツボっちゃツボ
とは言え、この不況の最中なかなか求人応募の電話すら鳴らないのには本気で気の毒になる…
同じ業界だから分かるが、この業界では祝日は関係なく出勤
その代わりに年末年始やGWや年末年始だけは他業界よりも多めで長いのだ
それでも事務員さんだと女性が多くなるからか業界全体的に見ても人気業界とは言えない
祝日が出勤なのが そんなにイヤなもんかねぇ…慣れたらなんてことないんだけど
神谷さんの会社は加えて土曜が隔週出勤なのが大きく壁になるんだろう
うちの嫁は業界は違うが 神谷さんとこと同じ土曜隔週出勤だが祝日は休みだもんな
せめて、どちらかってとこなんだろう
いくら仕事が早いったって 元々していた仕事に加えて畑違いの仕事を抱え込み今にもパンク寸前なのは最近の愚痴の頻度でも気になるところだ
なんとかしてあげたい
そんな風に考えたのは ごく自然な流れで 本気でやましい気持ちなんて無かった
ホワイトデーが近いから お返しの飴をチョイスしてバレンタインに貰ったわけじゃないが神谷さんに飴でもあげよう
そんな事を思いついた
それからは日々明るいながらも落ち込む様子や愚痴る彼女を励ましながらもココロん中じゃ どうやって飴を贈るのが自然かを必死で考えてたんだ
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