眠れぬ夜の終電

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冷たくてどす黒い何かが私を飲み込んでゆく…飲まれてゆく私の身体は酸素を求めても黒い何かが邪魔をして呼吸が上手くできなくなる…またあの夢が甦り声が聞こえてくる… 「…どうか……先代で……ある……私の……願い……を…叶え……て…欲…しい…遠…い…昔に…叶え…られ…なかった…夢を…」 その言葉は昨日の夢と同じで何を意味するかも解らなかった 「………闇…に………歴史………を………清………め………」 この声の主は20年前にこの日記を書いていた車掌さんの声によく似ていた声だったが私がその人を知らなければ会ったことも、名前ですらもはっきり言って聞いたこともない赤の他人なのには違いない 「光……を………護る……者……と……共に…………を…」 私が目を覚ますとそこは自宅にある寝室であったが何だか今日は気分がおかしい…いつもよりわけの解らない感情だけが頭を支配している 夢の中で私が今まで聞いたこともない言葉や会ったことのない人物の名前が焼き付いてしまっていて眠ろうとしても何も意味はない
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