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「申し訳ございません……。あの、店長って、なんでそんな大人の対応ができるんすか」 「なんでって……そりゃぁ、大人だからだよ」 「あ、いや。そうじゃなくて。どうしたら、そんな大人の対応ができるようになれるんでしょうか」 俺がそう言うと店長は再び目を丸くした。デスクの端に置かれた吸殻入れにタバコを落として火を消すと、不思議そうな顔で俺の目をまじまじと見た。 「北沢さ。二十一だよな」 「はい。そうっすけど」 「君、もしかして子どもか?」 そんなことは自分でも十分理解しているつもりだ。改めて言われるまでもない。 「店長から見たら、まだまだ子どもだと思います」 「いやいや。そうじゃなくて。君、免許持ってるだろ?」 免許?何故このタイミングで免許の話しなのだ。確かに車の免許はおろか、原付免許も持っていないが、俺くらいの年齢で大学生なら持っていなくてもおかしくはないと思うが。 「都会に住んでると、車とか必要性を感じなくて……。免許取るのも、車維持するのもけっこうお金かかるって言うじゃないっすか」 「北沢。自動車免許の話しじゃない。まさかとは思うけど、知らないってことないよな?来年就活だろ?」 「就活と何か関係あるんすか」 店長は唖然とした表情で、しばらく言葉を失った後、あたかもそれがこの世界の一般常識であるかのように言った。 「大人免許だよ」
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