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「それで、ご相談というのはお仕事の事ですか?」
「あ、いえ。仕事は順調で楽しくやらせて頂いてます」
「では?」
雅樹の促しに小林は本日二回目の深呼吸をして答えた。
「実は数ヶ月前からイタズラ電話や迷惑メールと言ったものがくるようになりまして。最初は無言電話で間違いかとも思ったんです。でも最近は明らかに違って・・・」
「と、言いますと?」
そう言われ小林はおもむろにカバンから封筒を取り出し、中から何枚かの写真を出した。
そこに写っていたのは主には小林で、所々で綺麗な女性も写っている。
「これって、盗撮?」
思った事が口に出てしまい慌てて手で口元を抑える穂奈美。
「あ、いいんです。気にしないでください。・・・多分そうだと思いますから」
「すみません・・・」
「失礼ですが、これが盗撮だと思うのなら警察に行かれるべきでは?」
雅樹は取り出された写真を一枚一枚見ながら話した。
「それは、まだ」
「何か理由でも?」
「その・・・自分には結婚を約束した彼女がおりまして。その彼女にあまり心配をかけたくないんです。だから出来れば内密になんとか解決できないかと・・・」
「彼女とは一緒に写っているこの方ですか?」
雅樹が写真から視線を外し、ともに写っている女性を指差す。
「ええ、そうです」
「ふむふむ、なるほど。分かりました」
そう言うと雅樹はレジに向かい何かを持って戻ってきた。
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