第1話

第一話 時給900円！割りに合わないアルバイト

「お待たせしました～！フォレスト自慢のハンバーグセットです！」
「おっ、きたきた。穂奈ちゃん、今日も元気にやってるじゃねぇか」

そう言って穂奈美のお尻をバシッと一叩き。

「んもっー！太平さん、やめて下さいよ！それよりお店の方はまた奥さん任せですか？」
「おうよっ！おらぁ今日の魚は全部さばききったんだ。後は女房が上手いこと惣菜売ってやってくれるさ」

魚屋亭主の太平はそう言いながらハンバーグを口の中に頬張った。
頭部は歳を重ねるごとに淋しくなり、丸々とした顔がハンバーグを含んだことで余計に丸くなる。

太平は初めこそ反対住民の1人であったが、今ではフォレストきっての常連客となっていた。