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「ふふふ」
「どうかしましたか?なんだか嬉しそうだ」
カウンター越しに頬杖つきながら穂奈美がほくそ笑むと、隣から雅樹がグラスを拭きながら声をかけてきた。
「なんだか幸せで」
「しあわせ?ほう、それはつまりどういうことですか?」
「だって良くないですか?常連さんが来てくれて、雅樹さんが作った料理を食べながら笑ってくれる。ここの空気が凄く温かく感じます」
穂奈美はそう言うと隣に立つ雅樹から拭き終わったグラスを受け取り、棚へしまった。
「私、雅樹さんに感謝しています。私を雇ってくれて。家に帰ればチャーシューがいるけど、両親は気楽に海外行っちゃって一人だし。ここのバイトでどれだけ楽しい思いをさせてもらえてることか」
因みにチャーシューとは穂奈美が飼っている犬の名前。
穂奈美が住むアパートの大家さんが孫から引き取って欲しいと頼まれたがどうしたものかと悩んでいたところ、彼女が引き取ったのだ。
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