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「僕も穂奈美さんに会えて嬉しいですよ」
「ほんとですか~?」
「ええ、本当です」
そう言うと雅樹は穂奈美の頭をポンポンと撫でた。
はたから見ると兄が妹を褒めているかの様な状況。
ただ一つ兄妹だとしたら、こんなにも茹で上がったタコのように顔を真っ赤にする妹はいないだろうと言うこと。
カランカランーーーー。
「あ、いいいいらっしゃいませっ!」
フォレストの扉についた鐘がなるのを聞いて、穂奈美は慌てて声をかけた。
「おひとり様でしょうか?」
「ええ・・・」
「ではこちらのカウンター席へどうぞ」
穂奈美はそう言うとカウンター席の椅子を引き、客を案内した。
入口から席に着くまでの間、客の足取りはゆっくりで、それでいて周りの客達をきょろきょろと見渡している。
(激しい人見知りさん?)
そんな事を思いながら穂奈美は席にメニュー表を置いた。
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