ゲロで魔法を使い

3/6
前へ
/7ページ
次へ
... ヤヤンバル広場に、 今までに聴いた事が無い、 怒濤が響いた! 『キサマ!なんて事するんだ!』 声の質からして、まだ子供であろう。 しかし、 人々の視線と行動を奪うには十分すぎる言葉だった。 そして、 その容姿も、人々の目を奪った。 見たこともない黒髪に褐色の肌。 鼻は低く、鋭く光る黒い瞳。 目の錯覚だろうか、 若干、脚が短く見える。 あっと... 忘れていた元凶が 怒濤で返してきた。 「なんだ小僧!?俺の邪魔をするのかぁ?」 『なぜだ!なぜこの人を殺したんだ!』 「俺様が武力信教のザッガだからだよ!」 ザッガは、そう言うと、 ロングソードを構えた。 『...なんだよソレ...意味わかんねーよ!...』 少年は腰にさした杖に手を添えた。 ... 「小僧、やんのか?」 『...無益な争いは』 「お前が金持ってりゃぁ良いな。」 少年の言葉はサラっと遮られた。 『...なぜなんだ...』 「俺の酒代(ハート)」 ザッガは、 嬉しそうにそう言いはなった。 少年は、 『...文無しなんだが...』 そう、寂しそうに呟いた。 ソレを、聞いたザッガは、 ロングソードを振った。 勢いよく風を切る音 人々は、 目を背けた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加