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第1章
...
「ねぇ?違う世界に、
生まれ変わったら、
何がしたい?」
...
こんな質問に答えるのは、
もう何度目だろうか?...
...
気がつけば、
ここは喫茶店。
ガラガラの店内で、
先程知り合ったっぽい人と、
当たり前の様に、
ティーカップを向かい合わに、
談話に花を咲かせている。
...
...時折り、
時を刻む様に私の左手内にある鍵をクルクルと回す。....
....
ただ、
向かい会う人の名前は知らない。
きっと、
向かい側の人も私の名前を知らないハズだ。
...
私の視線は、
いつでも他人とは目を合わさない。....
相手の顔立ちなんてどうでもいい。
....
サイズはきっと、Cかな。。。
それくらいしか、憶測できない。。。
...
まぁ、どうでもいい。
左手の鍵を一回転させ、、、
....
不意に、
目線を窓の外に移すと、
この静な店内とは違い、
お祭りの様に人が沢山いて、
ワイワイガヤガヤしていた。
...
正直、人混みは嫌いだ。
...
目線をティーカップに移すと、
水面が揺らいで、
私の顔を写す事は無かった。
...
...
せわしなく鍵を回しながら、思考を巡らす。
...
そうだなぁ...
今の生活は不便なくていいけど、
時間に切羽してて、
人が沢山いて、
高いビル郡や車がゴチャゴチャと、
していて、
凄く窮屈に感じる。
この世界以外の世界ってあるのだらうか?
どんな世界だろう?
...
もっと、
ゆっくりした時間の流れを感じながら、
のんびりしたいなぁ。。。
んー。。。。
そうだ!、
縁側でお茶とか飲みながらクッキーをね。。。
あ、なんか、オジイちゃんみたいだね。
...
...
クッキーをカップの液体にダイブさせてみた。
あ、このクッキー意外と溶けないな。。
...
...
...
スローライフと言えば、
馬車とか牛車とかでのんびりと旅をしたり、
でも、不便だろうなぁ...
...
あぁ、
そうだ!
魔法とかそんなのがアレば、
楽だね。
でも、魔法でポンポンと片付いてしまえば、堕落しそうだなぁ....
そうだ!
中途半端な世界で良いいかな。
うん。。。
そうしよう。
そうしましょう。
と、
私の脳内会議は、答えを出した
その答えを出すまで、
静な時だけが流れていた。
向こうは気まずい時間だっただろうな...。
...
...
私は「ファンタジーな世界に暮らしたいな。」
そう言い放って、
浸したクッキーをほうばった。
...
...
「味がしない」
...
...
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