第1章

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 翌朝、起き上がると、違和感があった。  頭が重い気がする。  俯いた拍子に、長い髪がだらりと落ちる。 「うわぁ!」  私は、悲鳴を上げた。  私の髪は、肩より短かった。  そんなはずはない。  私は、鏡を見た。  ちょうど、昨日、あのくしで梳いた部分だけが、長く、腰の辺りまで伸びていた。私の髪が。 「なんだ、これは!」  私の髪型は、無残なことになっていた。あまりに間抜けな姿になっていた。  伸びていたのは、右の前方と後方、左の一部だった。  私は、慌てて、はさみで切った。  だが、すぐに、同じ部分が伸びていく。そして、腰の辺りまで伸びると、止まる。  三回やって、結果は同じだった。
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